Volume Fifty-Four
¥1,650
Vol. 54の特集は「遊び」。
1980年代、心理学者のダン・カイリー博士は、「ピーター・パン症候群」という言葉を生み出しました。慢性的な未熟さを示し、大人としての責任を避け、感情的なコミットメントに苦しむ大人、おもに男性を指す言葉です。いわば、ひとつの危険信号ともいえます。そして、セラピーのセッション以外ではインナーチャイルドと向き合うことがあまり歓迎されないのも、そのためなのかもしれません。
「子どもっぽいこと」と「子どものようであること」には、大きな違いがあります。「子どもっぽさ」が退行を意味するのに対し、「子どものようであること」とは、結果がどうなるかわからなくても、心を開き、想像力を働かせ、試してみようとする姿勢を持ち続けることです。この違いは重要です。本特集の「遊び」では、全体を通して大人にもこうした姿勢を促しています。けれども、「子どもっぽいこと」と「子どものようであること」を混同してしまうと、遊びに向かう気持ちそのものを、始める前から閉ざしてしまうことになりかねません。
本特集では、「遊び」をプリズムのように捉え、そこから、かつてのような心の開放性をもう一度取り戻す方法を探ります。大人になってからも、より大きな喜びや好奇心、驚きを感じながら生きていくためのひとつの方法です。「遊びたいという欲求を失うことはありません。ある種の遊びをしないように、社会のなかで教え込まれていくだけなのです」と、全米遊び研究所を率いるミア・サンドストロムは語ります。
サンドストロムが指摘するように、大人が日常に遊びを取り入れるのに必要なのは、わずか30秒です。「人間らしく生きるために欠かせないもの」のためなら、わずかな時間を費やす価値はあるのではないでしょうか。
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