未来の移動手段や旅行はどうなるでしょう?
AC: 私は旅行というものが、より有意義で 長期的なものになると考えています。今は世界のどこに行っても同じようなチェーン店ばかりであまり楽しくはありません。未 来の旅の目的は、思い出作りや新たな発見、そして文化を守るため。ひとつの場所に長 期滞在するようになると思います。たとえ ば日本の小さな村に半年間滞在し、伝統工芸品を学んだりするような感じです。
EC: 自動運転の乗り物が増えると思います。実際に普及するまでは、なんだか変に感じますよね。こう考えてみてください。飛行 機は約90%が自動操縦です。それが普通になったのだから、自動運転車での移動も当 たり前になるでしょう。
KA: エネルギー消費の少ない輸送手段が求められるようになります。私の予測では、2042 年までに旅客機の運航が終了し、それ以降は貨物機だけになるでしょう。
DE: 搭乗者を乗せたロケットを真上に打ち上げ、地球の自転に合わせて落下させます。 そうすることで、今よりもずっと遠くの目的地に行くことが可能になるのです。
AO: 未来の旅行は長期ステイ型になると思います。そして短期の小旅行は少なくなります。ということは、自分が日々暮らす環境から、多くの安らぎや感動を得ることに慣 れなければならないことを意味します。
将来の世界でなくなるものは何でしょう?
AC: プラスチックです。使い捨て文化はバ カにされるでしょうね。たとえば、機内食を食べるたびにたくさんのプラスチックが捨 てられますよね? バカバカしい。あと、料 理ができない人たち。嘘でしょう? って思 います。小さな部屋に住んで、食事をデリバ リーですませるという考えは後進的ですし、何よりも間違っています。
EC: 忍耐力です。SNS とともに育った高校 生と仕事をしたことがありますが、彼らは まさに高速な世界に生きています。SNS 中 毒と断定するわけではありませんが、とにかく彼らはそういう世界に生きているのです。
KA: 思い浮かぶのは、鉛筆ですね。私は今で も仕事でよく鉛筆を使います。でも、鉛筆もいつまでもあるようで、いつか消えていく もののひとつなのだと思います。
DE: 肌の色で善悪をジャッジするということはなくなるでしょう。
AO: 日常的な通勤や出張。人々は、仕事のた めに長距離を移動したり、飛行機に乗ったりする必要があるかどうか、より慎重に判断するようになるでしょう。私たちは、いかに多くの仕事がリモートで可能か経験済み なのですから。2
未来の私たちはどのような課題に直面す るのでしょうか?
AC: 私たちは自然との向き合い方を修正し、共存する方法を学んでいかなければなりません。
EC: 明らかな問題は、気候変動とそれに伴う大量の種の絶滅です。現実に起こっているのに、どの政府もまだそれに対して十分な対応をしていません。地球温暖化を止めるために人類は団結すべき。でも全然そうなる感じがしないのです。
KA: 社会的不公平。ジェンダーや人種の不 平等を抜本的に変えようとすると、今の権 力を握っている人たちは特権を手放すことになります。これは難しいことです。
DE: ほとんどの仕事をAIがやるようになると、何十億人もの人間がどう時間を潰すかということが課題となります。
AO: 共通の価値観や理解が失われつつあるなかで、この世界というものをどう把握すればいいのでしょう。大規模な変化の時代に「善い」とは何か、どう行動すべきかを理解するためには、サポート体制と集団的な意思決定が必要です。
誰が力を持つのでしょう?
AC: それが何であれ、誰よりも多くを共有する人。たとえ古代の儀式であろうと、より良い農業の実践法だろうと。そして、自然が大きな力を持つでしょう。
EC: プーチンでしょう。アメリカは世界最 大級の軍隊を持っていますが、ほとんど力はありません。権力を握るのは、お金を支配 している人たち、思想力がある人たちです。
KA: 変化は、アウトサイダーが権力者に挑戦することで生まれます。今日の権力者は 欧米の裕福な白人男性。そして若い女性た ちが変化を起こそうと奮闘しています。残念なことですが、体制の変化には崩壊がついてまわります。ロシアや香港がそうでした。多くが壊れると思います。人々は不公平 なものを壊そうとするでしょう。
DE: プログラマー。
AO: 作家が力を発揮すると思います。私たちの周りにはノイズや摩擦、不確実性が氾 濫しています。ですから世界を把握するための物語を語ることができ、人々に安心感や信頼感を与えてくれる作家が力を持つで しょう。