「このあたりの服も私が作りました、とでも言っておきましょうか?」パ リにある PR 会社のショールームで、ラックに掛けられたオランダのブラン ドViktor & Rolfの2022年秋のクチュールコレクションに向かいながら、 シャルル・ドゥ・ヴィルモランは少し生意気な口調で言った。私たちは、たったいまヴィルモラン自身のブランドの 2022 年秋のルックをじっくり見せ てもらったところだ。それは不気味なエイリアンの顔やミステリアスな花、 泡立つビールのグラスが白いシャツにハンドペイントで描かれていたり する、カラフルで舞台衣装のような大胆なコレクションだった。彼が個人 的に気に入っているのはビールのデザインだという。自身のブランドの派 手な色使いは、Viktor & Rolf のマットなブラウンとダークブルーのカラーパレットとは対照的だが、同ブランドが 26 歳のヴィルモランに影響を与え ていることは容易に想像できるだろう。両者には、誇張されたシルエット やドリーミーな美学を好み、演劇や詩的な感覚を持ち合わせているという 共通点がある。だがヴィルモランは、これまで特定のメゾンから受けた影 響についてほとんど言及したことがなかった。そのことを PR マネージャー が指摘すると、ヴィルモランは「私は彼らの熱狂的ファンなんです。ピカソ へのオマージュとして作った白一色のコレクションは非常に崇高でした」 と、キュービズムにインスパイアされたViktor & Rolfの2016年春夏コレク ションの素晴らしさ…… 続きは紙面でお楽しみください。 TwitterFacebookPinterest こちらの記事は Kinfolk Volume 39 に掲載されています 購入する Related Stories Fashion Interiors Volume 33 ホームツアー: ルシンダ・チェンバース イギリスのファッション業界の中心である 西ロンドンの タウンハウスを訪問。 Fashion 最果ての夜明け 見知らぬ土地の球体の下で、不思議な気分を覚える明け方。 Fashion Volume 50 共鳴するふたりの装い 友情から生まれるドレスコード。 Fashion Volume 33 地球 VER. 2.0 太陽から 3番目の惑星が 迎えた新時代。 Fashion Volume 34 シーズンオフ カタルーニャの海岸線で過ごす、日の出から日没まで。 Fashion Volume 40 BETWEEN US/私たちの間柄 昔からの友だちと 一緒にいると、 世界は明るく見える。