考古学者アヤナ・オミラデ・フレウェレンが発掘現場で探している のは、埋もれた遺物だけではなく、人々の生きた証である。より正確 にいえば、奴隷にされたアフリカの人々と彼らの子孫がどのような 人生を送り、愛され、運命が破壊されたのかを示す物理的な証拠だ。 スタンフォード大学で考古学の助教を務めるフレウェレンにとって それらを見つけることは、考古学的発見を上回る価値がある。それ は、多くの人によって語り継がれてきたアメリカ合衆国の黒人の歴 史の真実を解き明かす試みなのだ。奴隷たちが働いたかつてのプラ ンテーションや、米領バージン諸島沖の海域でフレウェレンが発掘 した過去の断片は、まるで私たちにこう訴えているようだ。彼らに傷 を負わせたことを隠さず認め、存在を否定され、奴隷にされたひとり ひとりの人間性と対峙せよ、と。(訳注:フレウェレンは「they」を自 身のジェンダー代名詞としているため、日本語版では本人の名前お よび代名詞について、必要な場合はすべて「フレウェレン」とした。) 「黒人 でノンバイナリーの考古学者である私は、黒人の生活様式を自 身の最大の研究テーマとして…… 続きは紙面でお楽しみください。 TwitterFacebookPinterest こちらの記事は Kinfolk Volume 38 に掲載されています 購入する Related Stories Arts & Culture Volume 46 墓石のレシピ 忘れられないレシピについて。 Arts & Culture Volume 37 ハンナ・トラオレ アート界が次に注目する ギャラリスト。 Arts & Culture Volume 40 健康そのもの 写真家、シャオペン・ユアンが撮影した世界の奇妙な健康法。 Arts & Culture Volume 46 自由な精神 イタリアの古道を馬に乗って、自由気ままな旅。 Arts & Culture Volume 48 遠くまで届くアガ・カーンの力 イスラム教の遺産を活性化させているアガ・カーン文化基金。同基金のディレクター、ルイス・モンレアルとともに、マンジュ・サラ・ラジャンが最新プロジェクトを探る。 Arts & Culture Volume 34 重すぎる想い セーターの呪いの不思議な歴史。
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