およそ900年前、スコットランド北岸沖に位置する風吹きすさぶオークニー諸島最大の島のギザギザした海岸線に、1隻の小舟が停泊していた。聖人として崇められた聖マグヌスの遺体を運んできた舟だ。そして今日、当時と同じように揺れ動く冷たい海を進むフェリーは、聖人を永眠の場所へと運んだ航路をたどろうとする巡礼者たちをこの島へ運んでくる。 当時棺桶を運んだ人々が休憩した場所には背の高い石が置かれていたが、現在残っているのはごくわずかだ。いまでは、聖マグヌスの遺体が運ばれたルートを巡礼するための新たな手段がある。「聖マグヌス・ウェイ」というアプリだ。チェックポイントをバグパイプの音で知らせてくれる。 このアプリは、昨今の聖地巡礼への関心の高さをうけて登場。現在、スペインのカミーノ・デ・サンティアゴや、イギリスのカンタベリーからローマまで続くヴィア・フランシジェナなど、ヨーロッパの歴史的なキリスト教巡礼路は記録的な人気を博しており、2023年には50万人以上がカミーノを完歩…… 続きは誌面でお楽しみください。 TwitterFacebookPinterest こちらの記事は Kinfolk Volume 48 に掲載されています 購入する Related Stories Arts & Culture Volume 46 言葉 イニョン 前世からつながる未来。 Arts & Culture Volume 50 名高き6人 アクラでアモアコ・ボアフォとその芸術家仲間たちと過ごした午後。 Arts & Culture Volume 43 オールド・ゲイズ TikTokの大人気のコンテンツが生まれる賑やかな家に潜入。 Arts & Culture Volume 31 新しい儀式 何気ない日々に意味を与える、新しい儀式をご紹介。 Arts & Culture Volume 48 心の通じ合い イギリスの農村部で、急進的なユダヤ人コミュニティが土地正義をめぐる新たな定義を模索する。 Arts & Culture Volume 46 自由な精神 イタリアの古道を馬に乗って、自由気ままな旅。