キトの12・デ・オクトゥブレ通りにある無機 質な16階建てのアパート、アルト・アラゴン。 ここの住人は、エクアドル随一のモダニズム 住宅〈カーサ・コーン〉の屋根と庭を見下ろし ている。交通量の多い6車線の道路から見る と、〈カーサ・コーン〉の平らなコーニスが、脇 道にそってカーブする高い庭の塀の上にかろ うじて見える。塀には出入り口が2カ所ある。 ひとつは車専用の大きさだ。もうひとつの人 間用のドアの向こうには、青々とした庭が広 がっている。 チェコの建築家兼画家のカール・コーンが 75年前に自宅として設計した〈カーサ・コー ン〉は、当時、未舗装の道がなだらかな田園地 帯に消えていくような街のはずれにあった。 妻のヴェラ・コーンは、1949年にこの家に 引っ越してきたときのことを思い出し、「牛や ロバがうろうろする大農場のようだった」と 話す。娘のひとり、カーチャ・コーン・ベルナ スコーニは、庭の噴水で馬が水を飲んでいた ことを覚えている。 ユダヤ人だったコーン一家は、1939年にナ チスドイツがチェコスロバキアを支配した 後、迫害から逃れるためにエクアドルへ移住…… 続きは誌面でお楽しみください。 TwitterFacebookPinterest こちらの記事は Kinfolk Volume 44 に掲載されています 購入する Related Stories Design Interiors Volume 35 フェルナンド・カルンチョ 庭園は自然物と人工物の中間にある存在。ジョージ・アプトンがこのふたつの間を取り持つ造園家を訪れた。 Design Interiors Volume 36 ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン カルト的な建築家の自宅にて。 Interiors Volume 39 ブッシュモダニズム 砂漠の建築家アリステア・ノックスの遺産を再構築する。 Design Interiors Volume 37 ジャンカーロ・ヴァレ ジャンカーロ・ヴァレの仕事場。 Arts & Culture Interiors Volume 43 ホームツアー:ATELIER VIME 伝統クラフト復活のきっかけとなったプロヴァンス地方の邸宅を訪問。 Interiors Volume 37 ゲルゲイ・アーデイ ギリシャ神話、中世のイコン、1970年代の魅力が融合したロンドンの アパートメントに潜入。