1961年、アクセル・フェルフォールドが初めてひとりでイギリスへの骨董 品探しの旅に出たのは、まだ14歳のときだった。貴族の屋敷にコレクショ ンされた何百点もの骨董品が、所有者たちが維持費を払えなくなったため に売却されていたのだ。数個のスーツケースと、地元アントワープのアン ティークショップで働いて稼いだそれなりのお金を携え、フェルフォール ドはベルギーのゼーブルージュ港からフェリーに乗ってイプスウィッチに 向かった。親戚や家族の友人の家に滞在しながら、家具や珍しい品であふ れる屋敷の屋根裏部屋をあさる日々を過ごした。自分の直感を信じ、気に入ったものを買った。 スーツケースをパンパンに膨らませてアントワープに戻り、数週間のう ちにすべてを売りさばいた。購入したのはほぼ母親の友人だったが、もっ と買いたいと言っていたそうだ。それはフェルフォールドにとって最初の 買い付けの経験であり、ビジネス帝国を築き上げたキャリアの始まりでも あった。現在彼は、アートとアンティークのビジネス、アントワープと香港 にある2つのアートギャラリー、インテリアデザイン…… 続きは誌面でお楽しみください。 TwitterFacebookPinterest こちらの記事は Kinfolk Volume 44 に掲載されています 購入する Related Stories Design Volume 44 ショーン・キャンティ ハーバード大教授が社会変革の原動力としての建築について語る。 Design Fashion Volume 36 Hermès: IN THE MAKING Hermèsが誇るシルクスカーフの歴史を紐解く。 Design Volume 34 仕事場: ORIOR ブライアン・ウンがニューヨーカーに愛される家具を生み出す アイルランド人一家に出会う。 Design Interiors Volume 35 フェルナンド・カルンチョ 庭園は自然物と人工物の中間にある存在。ジョージ・アプトンがこのふたつの間を取り持つ造園家を訪れた。 Arts & Culture Design KUNIO MAEKAWA 1964年に誕生した個性的な集合住宅“ビラ・ビアンカ”で1979年に前川國男がデザインした家具を見る。 Design Volume 32 ピエール・ヨヴァノヴィッチ ピエール・ヨヴァノヴィッチが10年前から暮らす南仏のシャトーは、インテリアデザイナーである彼の究極のショールーム